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仮決算による消費税の中間申告

申告管理部

今回のテーマは、「仮決算による消費税の中間申告」ついてです。

皆様ご存じの通り、消費税は、個人事業者の場合は、その年の11日から1231日、法人の場合は、その事業年度をひとつの課税期間として、その期間中の売上に係る消費税として預かっている金額から、同じくその期間中の仕入れに係る消費税として支払っている金額を差引いた金額を年間の消費税として申告納付する仕組みになっています。

そして上記の年間の消費税額(国税分)が、48万円を超える場合は、その翌課税期間において、あらかじめ消費税を納付しなければならない中間申告の義務が発生します。

国税庁HPより

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6609.htm

中間申告の回数は、前期の年間消費税の金額が多くなるにつれ、年1回、年3回、年11回と増えていき、また、基本的に前期実績による中間申告の納付は、年1回の場合は前期の年間消費税の1/2、年3回の場合は前期の年間消費税の1/43回、年11回の場合は前期の年間消費税の1/1211回に相当する金額を消費税の確定申告までに納めていく必要があります。

具体的に、前期の年間消費税額が100万円で、中間申告回数が年1回となる個人事業者である場合、原則として前期実績により、その年の11日から630日を中間申告対象期間として100万円×1/250万円の消費税とこれに対応する地方消費税の納付が必要になってきます。

これに対して今回のテーマとなっている方法は、「仮決算による中間申告」です。この方法は、中間申告対象期間をひとつの課税期間とみなして仮決算を行い、それに基づいて申告納付する方法です。

前述の具体例を引き続き活用すると、中間申告対象期間は、その年の11日から630日となり、この期間中に実際に預かった売上に係る消費税が100万円、おなじくこの期間中に実際に支払った仕入れに係る消費税が80万円だった場合には、その差引である20万円が中間申告による納付額になります。

「前期実績による中間申告」と「仮決算による中間申告」を比較すると後者の方が30万円ほど中間納付による負担が軽減されます。

最終的には消費税の確定申告において年間の消費税額が決まり、中間納付額との差額が納付もしくは還付となりますが、今回のケースのように期中の資金繰りの面からは「仮決算による中間申告」を適用した方が望ましい場合があります。

特に、前期の業績と比べ今期の業績が思わしくない場合や多額の設備投資を行った場合は、売上に係る消費税額と仕入れに係る消費税額の比率が、大きく変動するため「仮決算による消費税の中間申告」と「前期実績による中間申告」のどちらの方が負担が少ないかを一度検討してみる価値があると思います。